東京・秋葉原
賑やかな電気街とは反対方向へと歩く
昭和通りを超え更に路地裏
ここに素晴らしきホシが居るとの情報を得、捜査に向かう
数年前にガサを入れた時は更なる路地裏に潜んでいたのだが
(捜査資料より)
随分と街側に進出して来たな、図太いホシだ・・・
張り出してあるメニューをチェックする
おっとこれは珍しい
とんかつ定食とカツ丼が同値段とはな・・・
混雑も落ち着いた午後二時、ドアを開き捜査を開始する
三席だけあるカウンターに腰を下ろしカツ丼を注文
作り手は見るからに職人肌、そして寡黙そうな男
相当な神経を集中し調理に掛かり始めた。
旨いカツ丼を出すためには最後の最後まで気が抜けない
玉子に火を通す数秒の差で全くの別物になる
おっと俺の一杯が完成したようだ
「かつ丼」800円
むう、
完璧だ・・・
ぷっくりとした白身は表面にだけ火を通し
固くなりがちな卵黄だけの部分もこれまた絶妙の柔らかさ
ふわっとラードが香る理想的なの1cm程のロースは
ギリギリ生の部分を残さない絶妙過熱、
丼鍋で仕上げるところまで計算しつくされた賜物。
軽やかにて濃厚なる丼タレがこれらを全て引き受け纏めあげている
これは美味い、
800円にして至高の一杯
主人のこだわりと技術が
言葉を交わさずとも俺に伝わる素晴らしきかつ丼
これこそ和食の中の和食
福を与える志か、良い名前だ
間違いなく都内最強クラスのカツ丼だった
今後長きに渡り捜査する事になりそうだ旨かったぜ