上野から京成線に乗り江戸川を超え千葉県に入ると程無く
「京成八幡駅」に到着する。
駅名にもなっているがこの日は葛飾郡総鎮守でもある
葛飾八幡宮への参拝
葛飾の地名はもともと千葉のこの辺り一帯。
9世紀末、宇多天皇の時代に京都の石清水八幡宮を勧請して建立されたと言われている、1100年以上の歴史を持つ関東屈指の古社の一つ。近くの本八幡の地名もこの神社にちなんだそうな☆
参拝後駅前へと戻り本日のお目当てへ
料理屋「大黒家」
作家の「永井荷風」が晩年通い詰め、
最後の晩餐まで食べ続けたと云うカツ丼が今回の捜査対象だ
AM11:30に一人、静かで落ち着く座敷で頼むのは
その名も「荷風セット」
「上新香・お酒・カツ丼」がセットになり1260円
日本最高の日記文学と評される「断腸亭日乗」は、
戦前から戦後へと移り行く日本を独特の視線から捉えた名作だ。
その日記にも大黒屋での食事の様子が記されている
「菊正宗の上撰」を熱燗で
グイっと盃を飲み干すとふわ~っと力が抜けていく、
日夜を通じて行うガサ入れの骨休めも兼ねるとしよう
白菜が美味しい上新香をツマんだら
「カツ丼」の登場だ
(初めっから断面オープンは珍しい)
かくして「荷風セット」1260円の完成
躍るセットだ、しかもグリーンピースが過去最高の
16個
上品ながらもしっかりと旨い出汁のカツ丼をツマミにしながら・・・
辛口の菊正をグイッと飲る
味噌汁が旨いのが料理屋の証、しかも蜆入り
カツ自体の旨味は正直なところ少ないが、
丼の出汁・蜆汁・空間はとても優秀なお店だと思う。
これはダシ出くわせる「順和風カツ丼」だ。
永井荷風の、遊ぶ心をしっかりと学ばせて頂きたいと思ふ。
ここ最近残念ながらこの大黒屋な長い歴史を閉じられたそうだ。
少し前の訪問だが記録として残しておきたい、有難うよ